Dutoklín 構造解説← プリセット一覧

054. DropとBirdy がこの音の芯(2つが同じだけ効いている)。鍵を押すと即座に立ち上がり、押している間は鳴り続ける。ピークから消えるまで 2.03 秒。7回測るとピークが 7.9 dB 振れ、毎回わずかに違う輪郭になった。付属プリセット782音との比較では、空間の広がりが上位 14.5%、テクスチャ感が上位 19.6%。

フレーズ16秒・118音の演奏0:00/–:––
マクロ操作演奏しながら M6 Reso を 0→100%0:00/–:––
単音A4 を1音・下の図を測った音0:00/–:––

波形はこの音そのものから描いています。クリックでその位置へ。音量は5音で揃えてあります(MP3 192kbps・プリセット本体は非圧縮)。

音源だけフィルタも FX も切った状態0:00/–:––
+フィルタFX はまだ切ってある0:00/–:––
完成そのまま0:00/–:––

同じ演奏を、段を1つずつ足しながら鳴らしています。音量は3本とも揃えてあります

音の時間変化
実測エンベロープ(7回のレンダ・中央値と最小〜最大の帯)0-20-40-60ADSR鍵を離す0秒1.5秒3.0秒dB

7回鳴らして測りました。鍵を押している間は鳴り続けます。この音は鳴らすたびに変わります(ピークの振れ幅 7.9 dB)。上の帯がそのばらつきです。

A 立ち上がりD 減衰S 持続の高さR 余韻
20 ms220 msピークの -26 dB45 ms

A=発音からピークまで/D=ピークから持続の高さへ落ちきるまで/S=持続の高さ(ピーク比)/R=鍵を離してからピークの −40 dB まで。ツマミの内部値ではなく鳴った音から測った値なので、フィルタや変調の影響も含んだ、実際に聴こえる時間です。

実際の配線(左→右・信号順)FBAuxフィルタAsimovフィルタFMInsert FX 1InsertSnHInsert FX 2Insert OscInsert FX 3UtilityNoise 1 78%BirdyNoise 2 0%Ice WaterOSC 1 68%054. DropOSC 2 48%022. RoundonicsUnit FX 1StereoDelay出力

■ 音源(バーは音量ツマミ) □ 処理 ┄ 固定経路(Unit FX は Serial) ┄ FB=フィードバック

左→右は Massive X のルーティング画面と同じ向きです。配線は保存されている実データ、並びは信号の流れ順。Aux はどの音源からでもオシレータの位相を揺らせる位相変調バスです。

演奏で動かせるところ
マクロ名前つながっている先現在位置
M1WT Pos 1OSC1の波形の位置17%
M2Osc 1 LvlOSC1の音量68%
M3WT Pos 2OSC2の波形の位置0%
M4Osc 2 LvlOSC2の音量48%
M5Cutoffフィルタのカットオフ52%
M6Resoフィルタのレゾナンス31%
M7Attackアンプ EGのアタック12%
M8Releaseアンプ EGのリリース19%

Massive X の Macro ページのツマミです。「現在位置」はこのプリセットを読み込んだ直後の値。

使っている音源
OSC1054. Drop Monster / Bend / Filter 100% / Bend 91%
Monster 系の波形:名前のとおり荒々しい音色で、強い個性を持つ。
形奇数倍音だけで出来ている、倍音が上まで伸びる
位置を動かすと少し変わる(端から端で明るさが 4.6 kHz 動く・157波形中 真ん中あたり)
音の印象Clean(上位 22%)
付属音での使われ方ファクトリーの 720 音のうち、この波形を使っているのは 2 音だけです。
読み方 Standard・位置 50% で単体で鳴らして比べた値
Filter 100%上の倍音の量を決める。強くかけると、矩形波なら最後は基音だけのサイン波になる(ローパスに似た効き方だが、帯域制限した波形の並びを走査する別の仕組み)。Standard・Bend・Wrap・Jitter に共通のつまみ
Bend 91%波形を読む速さを位置によって上げ下げする量。一部が詰まり、一部が伸びるので、大きいほど元の形から離れる。Bend・Mirror・Gorilla に出る
音量 68%
抜くと音色が最も変わる
OSC2022. Roundonics Harmonics / Standard
Harmonics 系の波形:走査すると倍音列が強調される仕掛けを持つ。
形奇数倍音だけで出来ている、上の倍音が少ない
位置を動かすと少し変わる(端から端で明るさが 4.0 kHz 動く・157波形中 真ん中あたり)
音の印象Smooth(上位 24%)
付属音での使われ方ファクトリーでこの波形を使う 10 音には Long Release(3.5倍・3/10 音)、Evolving(2.7倍・3/10 音) が多い(倍率は全体の出現率との比)。
読み方 Standard・位置 50% で単体で鳴らして比べた値
音量 48%
抜いてもあまり変わらない
Noise1Birdy(Beings) Beings / Key Track
小鳥のさえずり。細かく跳ねる高音。
音量 78%
抜くと音色が最も変わる
Noise2Ice Water(Environment) Environment / Fix音量 0% (鳴っていません)

レベル 0 のものも、何を積んだかの記録として残しています。
波形の性格は 157 個を同じ条件で比べた順位です(一覧を見る)。このプリセットでの読み方は上の表のとおりなので、実際の音はそこから変わります。「抜くと」は、その音源だけ止めて測った音色の変わり方です。

音を形づくっているもの
InsertSnH

入力を内部オシレータの周期で拾い、次まで値を保つ。信号が階段状になり歪みとして働く。

入力(細線)を一定間隔で拾い、次まで同じ値を保つ。階段状になる
HQ HQオフだとはっきりデジタル的、オンだと段差を均して滑らかな鳴りになる
Mix 94%原音とエフェクト音の混ぜ具合。このつまみだけは 0% で完全に素通しに戻る(実測 441 Hz → 4,274 Hz)
Pitch 0内部オシレータの音程。低くするほど段が粗くなり、古いデジタル機の質感になる
低い方を 14 dB足し、全体を 3 dB下げています。440 Hz のサイン波に挿すと、明るさが 442 Hz から 4,616 Hz まで上がります。20 機種中 4 番目に上を足します

Insert Osc

サイン/ソー/パルスの独立したオシレータを FX 枠に置くもの。波形オシレータに音を足せる(位相を合わせるとサブオシレータになる)。

独立したオシレータを足す。位相を合わせるとサブオシレータになる
Lock Off1
Mix 23%混ぜ具合。ただし0% にしても素の音には戻らない(実測 4,775 Hz → 5,019 Hz)
Pol +
中域を 2 dB削り、全体を 2 dB下げています。440 Hz のサイン波に挿すと、明るさが 442 Hz から 4,974 Hz まで上がります。20 機種中 3 番目に上を足します

StereoDelayUnit FX X

左右のディレイタイムを別々に設定できるステレオディレイ。中域を 3 dB削り、全体を 3 dB下げています。

Character Hot
Color 56%明るさの色づけ
DW 66%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
FB 38%出力を入力へ戻す量
Flutter 80%
Input 15%
Latch On
Mono L/R
Route Cross
SyncFree Free

Dimension ExpanderUnit FX Y

ステレオを広げるコーラス。高い方を 4 dB削り、全体を 4 dB下げています。

Amnt 78%効果の量
Bright On高域の量
Stereo 50%左右の広がり

Eco ReverbUnit FX Z

部屋の種類を模した17のモードを持つ残響(マニュアル上の名前は Reverb)。高い方を 1 dB削っています。

Chorus 27%
Color 27%明るさの色づけ
DW 16%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
Feed 3%残響のフィードバック量。長さに効く
Size 2%残響の空間の大きさ
preDel 31%残響が始まるまでの遅れ

動かしているもの

Mod2 Mod Env、Mod4 LFO、Mod1AmpEnv Amp Env、Mod7 Mod Env、Mod5 LFO、Keytracker 2、Keytracker 1 が時間や演奏に応じて音を動かします。

部品の性格
Asimov|LP1 フィルタ80年代のベースシンセ系ローパス。歪みとの相性が良く、アシッド系のベースに向く。この音では、3.2 kHz から上を落としていて、16.3 kHz では 24 dB 下がります(1オクターブごとに約 7 dB)。640 Hz あたりに 7 dB の山を作っています。鍵盤の高さには追従しないので、高い音ほど暗くなります。実際に測定してみると、入力を切ってレゾナンスを上げても自分では鳴り出しません(同じなのは SV2、Comb。Blue Monark は鳴り出します)。LP1 は、この機種の他の型より高域を残す設定です(他へ替えると 8〜13 dB 落ちます)。操作
カットオフ 52%フィルタが効き始める周波数。下げるほど上の倍音が削られて暗くなる
レゾナンス 31%カットオフ付近を持ち上げる量。上げるほどその高さが際立ち、癖が出る
キートラック 0%カットオフを鍵盤の高さに追従させる量。0 だと高い音ほど暗くなる
ドライブ 0%入力レベルを上げて飽和させる量(マニュアルの Gain)。歪みの深さ
FM 量 50%フィルタのカットオフを音声レートで揺らす量。オシレータ側の位相変調と違い、音を作る側でなく通り道を揺らす。ルーティングで FM バス(FilterMod)に何か繋がっていないと効かない
Mod Env 変調音量以外を動かすためのエンベロープ。好きな場所へ割り当てる。この音では ノイズ2の音量を深さ 77%、InsertFX2の原音との混ぜ具合を深さ 71%、出力の定位を深さ 64%(ほか2か所) で動かしています。設定:立ち上がり 0%/減衰 49%/持続 0%/余韻 10%/モード Gate/きっかけ Note On
LFO 変調用途別に複数の型を切り替えられる LFO。Osc モードでは音声レートまで速くでき、揺らすというより音色そのものを変える。この音では OSC1のフィルタ量を深さ 27% で動かしています。設定:速さの決め方 Free/極性 Bi/繰り返し Loop RST/きっかけ Midi
Amp Env 変調音量の時間変化を決める基本のエンベロープ。この音では OSC1の波形の位置を深さ 86% で動かしています。設定:立ち上がり 12%/減衰 32%/持続 7%/余韻 19%/モード Gate
Keytracker 2 変調鍵盤の高さを変調源にする。低い音と高い音で効き方を変えられる。4基あり、番号はその何番目かを指す(それぞれ別の曲線を割り当てられる)。この音では 出力の音量を深さ 61% で動かしています。
Bend 波形の読み方読み出しの速さを位置によって上げ下げし、波形の一部を詰め、一部を伸ばす。Up-Down にすると空洞のある矩形寄りの音になる。
Standard 波形の読み方既定の読み方。Filter つまみで上の倍音を減らす(帯域制限した波形を走査するので、ローパスに似た効き方をするが仕組みは別)。

Massive X 公式マニュアルの記述にもとづきます。

この音の組み立て方
  1. 音源を選ぶ
    054. Drop(Bend)、Birdy(Beings)(Key Track)、022. Roundonics(Standard) を重ねます。
  2. フィルタで骨格を作る
    Asimov|LP1 で 3.2 kHz から上を落とします(1オクターブごとに約 7 dB)。640 Hz に 7 dB の山も作ります。
  3. 時間の形を決める
    立ち上がり 20 ms、減衰 220 ms、持続はピークの -26 dB、余韻 45 ms。
  4. 動きを足す
    Mod2 Mod Env → ノイズ2の音量(深さ 77%)、Mod4 LFO → OSC1のフィルタ量(深さ 27%)、Mod1 Amp Env → OSC1の波形の位置(深さ 86%)(ほか4系統)。
  5. FX で仕上げる
    効いているのは InsertSnH、Insert Osc、Utility、StereoDelay、Dimension Expander、Eco Reverb。
  6. 演奏できるようにする
    マクロ 8本 を配線します(WT Pos 1、Osc 1 Lvl、WT Pos 2、Osc 2 Lvl …)。
付属ライブラリの中での位置

音風景(サウンドスケープ) か その他シンセ がマッチしそうです。奇数倍音が立ったところが似ています。付属 625 音を同じ条件で測って比べています(同じ測り方で付属音を判定し直すと、上位2つまで見て 78%)

弾き方を変えると、こう変わります。

ハウス風
トラップ風
アンビエント風
ポップ風
選択したプリセットのみで演奏しています。使ってみて合いそうなジャンルがあれば感想を聞かせてください
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音の測定

同じ条件で録音した付属プリセット782音の中での順位(音と言葉の近さを測るモデル CLAP による)。言葉は、聴き分けられるかを先に確かめたものだけを使っています。

言葉付属プリセットと比べると
空間の広がり atmospheres上位 14.5%
テクスチャ感 textures上位 19.6%
暗さ Dark上位 19.8%

Massive X は Native Instruments 社の製品です。