Oblošero 構造解説← プリセット一覧

034. Drift Organ C がこの音の芯。鍵を押すと即座に立ち上がり、押している間は鳴り続ける。ピークから消えるまで 2.05 秒。7回測るとピークが 1.5 dB 振れ、毎回わずかに違う輪郭になった。付属プリセット782音との比較では、撥弦らしさが上位 4.9%、クリーンさが上位 5.6%。

フレーズ16秒・118音の演奏0:00/–:––
マクロ操作演奏しながら M6 Reso を 0→100%0:00/–:––
単音A4 を1音・下の図を測った音0:00/–:––

波形はこの音そのものから描いています。クリックでその位置へ。音量は5音で揃えてあります(MP3 192kbps・プリセット本体は非圧縮)。

音源だけフィルタも FX も切った状態0:00/–:––
+フィルタFX はまだ切ってある0:00/–:––
完成そのまま0:00/–:––

同じ演奏を、段を1つずつ足しながら鳴らしています。音量は3本とも揃えてあります

音の時間変化
実測エンベロープ(7回のレンダ・中央値と最小〜最大の帯)0-20-40-60ADSR鍵を離す0秒1.5秒3.0秒dB

7回鳴らして測りました。鍵を押している間は鳴り続けます。この音は鳴らすたびに変わります(ピークの振れ幅 1.5 dB)。上の帯がそのばらつきです。

A 立ち上がりD 減衰S 持続の高さR 余韻
55 ms240 msピークの -18 dB100 ms

A=発音からピークまで/D=ピークから持続の高さへ落ちきるまで/S=持続の高さ(ピーク比)/R=鍵を離してからピークの −40 dB まで。ツマミの内部値ではなく鳴った音から測った値なので、フィルタや変調の影響も含んだ、実際に聴こえる時間です。

実際の配線(左→右・信号順)FBAuxフィルタSV2フィルタFMInsert FX 1BassEnhancerInsert FX 2FreqShifterInsert FX 3FolderNoise 1 0%PopNoise 2 0%AluminumOSC 1 74%034. Drift Organ COSC 2 23%151. KangarooUnit FX 1NonLinearLab出力

■ 音源(バーは音量ツマミ) □ 処理 ┄ 固定経路(Unit FX は Serial) ┄ FB=フィードバック

左→右は Massive X のルーティング画面と同じ向きです。配線は保存されている実データ、並びは信号の流れ順。Aux はどの音源からでもオシレータの位相を揺らせる位相変調バスです。

演奏で動かせるところ
マクロ名前つながっている先現在位置
M1WT Pos 1OSC1の波形の位置36%
M2Osc 1 LvlOSC1の音量74%
M3WT Pos 2OSC2の波形の位置22%
M4Osc 2 LvlOSC2の音量23%
M5Cutoffフィルタのカットオフ38%
M6Resoフィルタのレゾナンス14%
M7Attackアンプ EGのアタック13%
M8Releaseアンプ EGのリリース33%

Massive X の Macro ページのツマミです。「現在位置」はこのプリセットを読み込んだ直後の値。

使っている音源
OSC1034. Drift Organ C Additive + FM / Bend / Filter 33% / Bend 50%音量 74%
抜くと音色が最も変わる
OSC2151. Kangaroo Remastered / ART
Remastered 系の波形:初代 Massive の波形を Massive X 用に作り直したもの。
形上の倍音が少ない、山が平らでなだらか
位置を動かすと少し変わる(端から端で明るさが 2.8 kHz 動く・157波形中 真ん中あたり)
音の印象Clean(上位 6%)
付属音での使われ方ファクトリーの 720 音のうち、この波形を使っているのは 3 音だけです。
読み方 Standard・位置 50% で単体で鳴らして比べた値
音量 23%
抜いてもあまり変わらない
Noise1Pop(Transients) Transients / Key Track音量 0% (鳴っていません)
Noise2Aluminum(Friction) Friction / Key Track音量 0% (鳴っていません)

レベル 0 のものも、何を積んだかの記録として残しています。
波形の性格は 157 個を同じ条件で比べた順位です(一覧を見る)。このプリセットでの読み方は上の表のとおりなので、実際の音はそこから変わります。「抜くと」は、その音源だけ止めて測った音色の変わり方です。

音を形づくっているもの
BassEnhancer

クロスオーバーで低域だけを分け、そこに飽和と圧縮をかける。高域はそのまま。

Crossover 51%低域と高域を分ける境目の周波数
DW 92%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
Drive On入力を持ち上げて飽和させる量
Input 62%
Output 50%
低い方を 14 dB足しています。

FreqShifter

周波数をずらす。ピッチシフトと違って倍音の比が崩れるので、金属的な響きになる。

全部の成分を同じ Hz だけずらす。倍音の比が崩れて金属的になる
Fdbck 24%出力を入力へ戻す量
Mix 12%原音とエフェクト音の混ぜ具合
Range Wide
Shift 55%周波数をずらす量。倍音の比が崩れる
低い方を 7 dB削り、全体を 4 dB下げています。

Folder

強く入力を持ち上げると波形を折り返す。飽和とハードシンクの中間で、4つのモードで滑らかさが変わる。

大きく増幅して、天井を超えた分を折り返す。倍音が一気に増える
Drive 17%折り返しの深さ。上げると明るさは下がる(実測 7,233 Hz → 7,170 Hz)。折り返しが増えて上が潰れるため
Mix 0%混ぜ具合。ただし0% にしても素の音には戻らない(実測 7,112 Hz → 7,127 Hz とほとんど動かない)
Offset 29%波形を上下にずらす量。上げるほど明るさが下がる(実測 7,448 Hz → 7,354 Hz)
Type Tri
低い方を 6 dB削り、全体を 6 dB下げています。440 Hz のサイン波に挿すと、明るさが 442 Hz から 7,278 Hz まで上がります。いちばん上を足します

NonLinearLabUnit FX X

オーバードライブ/ディストーション各種と、キャビネットのシミュレーション。低い方を 7 dB削り、全体を 5 dB下げています。

Cabinet Off
Drive 22%入力を持ち上げて飽和させる量
DriveType Soft Clip
HPpost 51%
HPpre 55%
Inertia 40%
LevCO 65%
Mix 18%原音とエフェクト音の混ぜ具合
Submode Glue
TrueStereo Mono

StandardEQUnit FX Y

周波数バランスを整えるイコライザ。低い方を 11 dB削り、全体を 11 dB下げています。

BassLev 40%
HiF 45%
HiLev 44%
PeakF 41%
PeakLev 55%
PeakQ 41%

PhaserUnit FX Z

オールパスの列で位相をずらし、原音と混ぜて山と谷を作る。LFO で掃く。低い方を 7 dB削り、全体を 6 dB下げています。

APmode AP2
Character Neutral
DW 32%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
FB 36%出力を入力へ戻す量
Playmode Parallel

動かしているもの

Macro 5、Mod2 Mod Env、Mod3 Exciter Env、Mod4 LFO、Mod1AmpEnv Amp Env、Keytracker 1、Mod7 Mod Env、Macro 7、Keytracker 2 が時間や演奏に応じて音を動かします。

部品の性格
SV2|LP2 フィルタstate-variable 型の多モード。色を付けず歪ませない素直な効き方で、音を整えるための道具として広く使える。この音では、806 Hz から上を落としていて、2.0 kHz では 34 dB 下がります(1オクターブごとに約 14 dB)。鍵盤の高さに 20% 追従します。実際に測定してみると、入力を切ってレゾナンスを上げても自分では鳴り出しません(同じなのは Asimov、Comb。Blue Monark は鳴り出します)。LP2 は、この機種の他の型より高域を削る設定です(他へ替えると 26〜26 dB 増えます)。操作
カットオフ 38%フィルタが効き始める周波数。下げるほど上の倍音が削られて暗くなる
レゾナンス 14%カットオフ付近を持ち上げる量。上げるほどその高さが際立ち、癖が出る
キートラック 20%カットオフを鍵盤の高さに追従させる量。0 だと高い音ほど暗くなる
Macro 5 演奏複数の設定をひとつのツマミにまとめたもの。この音では フィルタのカットオフを深さ 64% で動かしています。
Mod Env 変調音量以外を動かすためのエンベロープ。好きな場所へ割り当てる。この音では フィルタのカットオフを深さ 71%、ノイズ1のRtioを深さ 67%、OSC1のフィルタ量を深さ 59% で動かしています。設定:立ち上がり 5%/減衰 45%/持続 0%/余韻 10%/モード Gate/きっかけ Note On
Exciter Env 変調非常に速いエンベロープ。もともと Comb フィルタを叩いて共鳴体を作るために設計されたもの。アタックが速く減衰が短いので、打楽器的な質感を足すのにも効く。この音では OSC1の波形の位置を深さ 74%、OSC1のフィルタ量を深さ 58% で動かしています。設定:モード Bi
LFO 変調用途別に複数の型を切り替えられる LFO。Osc モードでは音声レートまで速くでき、揺らすというより音色そのものを変える。この音では OSC1のフィルタ量を深さ 62% で動かしています。設定:速さの決め方 Free/極性 Bi/繰り返し Loop RST/きっかけ Midi
Amp Env 変調音量の時間変化を決める基本のエンベロープ。この音では OSC1の波形の位置を深さ 72% で動かしています。設定:立ち上がり 13%/減衰 0%/持続 100%/余韻 33%/モード Gate
Keytracker 1 変調鍵盤の高さを変調源にする。低い音と高い音で効き方を変えられる。4基あり、番号はその何番目かを指す(それぞれ別の曲線を割り当てられる)。この音では OSC1の波形の位置を深さ 37% で動かしています。
Bend 波形の読み方読み出しの速さを位置によって上げ下げし、波形の一部を詰め、一部を伸ばす。Up-Down にすると空洞のある矩形寄りの音になる。
ART 波形の読み方ハードシンクと窓かけでフィルタ無しでフィルタを模す(Artificial Resonance Technology)。共鳴の強いバンドパスの掃引に近い音になり、変調と併用して活きる。

Massive X 公式マニュアルの記述にもとづきます。

この音の組み立て方
  1. 音源を選ぶ
    034. Drift Organ C(Bend)、151. Kangaroo(ART) を重ねます。
  2. フィルタで骨格を作る
    SV2|LP2 で 806 Hz から上を落とします(1オクターブごとに約 14 dB)。
  3. 時間の形を決める
    立ち上がり 55 ms、減衰 240 ms、持続はピークの -18 dB、余韻 100 ms。
  4. 動きを足す
    Macro 5 → フィルタのカットオフ(深さ 64%)、Mod2 Mod Env → フィルタのカットオフ(深さ 71%)、Mod3 Exciter Env → OSC1の波形の位置(深さ 74%)(ほか6系統)。
  5. FX で仕上げる
    効いているのは BassEnhancer、FreqShifter、Folder、NonLinearLab、StandardEQ、Phaser。
  6. 演奏できるようにする
    マクロ 8本 を配線します(WT Pos 1、Osc 1 Lvl、WT Pos 2、Osc 2 Lvl …)。
付属ライブラリの中での位置

付属ライブラリの中では ベース がマッチしそうです。澄んでいて低くこもったところが似ています。付属 625 音を同じ条件で測って比べています(同じ測り方で付属音を判定し直すと、68% が正しく分かれます)

弾き方を変えると、こう変わります。

ハウス風
トラップ風
アンビエント風
ポップ風
選択したプリセットのみで演奏しています。使ってみて合いそうなジャンルがあれば感想を聞かせてください
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音の測定

同じ条件で録音した付属プリセット782音の中での順位(音と言葉の近さを測るモデル CLAP による)。言葉は、聴き分けられるかを先に確かめたものだけを使っています。

言葉付属プリセットと比べると
撥弦らしさ plucks上位 4.9%
クリーンさ Clean上位 5.6%

Massive X は Native Instruments 社の製品です。