Zrnoúder 構造解説← プリセット一覧

001. Banana がこの音の芯。鍵を押すと即座に立ち上がり、押している間は鳴り続ける。ピークから消えるまで 2.77 秒。7回測るとピークが 4.1 dB 振れ、毎回わずかに違う輪郭になった。付属プリセット782音との比較では、和音感が上位 3.3%、クリーンさが上位 18.4%。

フレーズ16秒・118音の演奏0:00/–:––
マクロ操作演奏しながら M5 Lowpass を 0→100%0:00/–:––
単音A4 を1音・下の図を測った音0:00/–:––

波形はこの音そのものから描いています。クリックでその位置へ。音量は5音で揃えてあります(MP3 192kbps・プリセット本体は非圧縮)。

音源だけフィルタも FX も切った状態0:00/–:––
+フィルタFX はまだ切ってある0:00/–:––
完成そのまま0:00/–:––

同じ演奏を、段を1つずつ足しながら鳴らしています。音量は3本とも揃えてあります

音の時間変化
実測エンベロープ(7回のレンダ・中央値と最小〜最大の帯)0-20-40-60DSR鍵を離す0秒1.5秒3.0秒dB

7回鳴らして測りました。鍵を押している間は鳴り続けます。この音は鳴らすたびに変わります(ピークの振れ幅 4.1 dB)。上の帯がそのばらつきです。

A 立ち上がりD 減衰S 持続の高さR 余韻
10 ms445 msピークの -8 dB775 ms

A=発音からピークまで/D=ピークから持続の高さへ落ちきるまで/S=持続の高さ(ピーク比)/R=鍵を離してからピークの −40 dB まで。ツマミの内部値ではなく鳴った音から測った値なので、フィルタや変調の影響も含んだ、実際に聴こえる時間です。

実際の配線(左→右・信号順)FBAuxフィルタCombフィルタFMInsert FX 1AnimaInsert FX 2BitCrusherInsert FX 3BassEnhancerNoise 1 0%WhiteNoise 2 0%PinkOSC 1 90%001. BananaOSC 2 8%006. Sin-Tri-SQ-SawUnit FX 1NonLinearLab出力

■ 音源(バーは音量ツマミ) □ 処理 ┄ 固定経路(Unit FX は Serial) ┄ FB=フィードバック

左→右は Massive X のルーティング画面と同じ向きです。配線は保存されている実データ、並びは信号の流れ順。Aux はどの音源からでもオシレータの位相を揺らせる位相変調バスです。

演奏で動かせるところ
マクロ名前つながっている先現在位置
M1WT Pos 1OSC1の波形の位置50%
M2Osc 1 LvlOSC1の音量90%
M3WT Pos 2OSC2の波形の位置51%
M4Osc 2 LvlOSC2の音量8%
M5Lowpassフィルタのローパス80%
M6Decayフィルタのディケイ3%
M7Attackアンプ EGのアタック0%
M8Releaseアンプ EGのリリース47%

Massive X の Macro ページのツマミです。「現在位置」はこのプリセットを読み込んだ直後の値。

使っている音源
OSC1001. Banana Basics / Standard
Basics 系の波形:際立った個性を持たず、減算合成の土台になる波形。
形倍音が上まで伸びる、山が平らでなだらか
位置を動かすとほとんど変わらない(端から端で明るさが 0.3 kHz 動く・157波形中 下位 1%)
音の印象Smooth(真ん中あたり)
付属音での使われ方ファクトリーでこの波形を使う 18 音には Evolving(2.5倍・5/18 音)、Bass(1.9倍・6/18 音) が多い(倍率は全体の出現率との比)。
読み方 Standard・位置 50% で単体で鳴らして比べた値
音量 90%
抜くと音色が最も変わる
OSC2006. Sin-Tri-SQ-Saw Basics / Standard
Basics 系の波形:際立った個性を持たず、減算合成の土台になる波形。
形奇数倍音だけで出来ている、山が平らでなだらか
位置を動かすと少し変わる(端から端で明るさが 3.3 kHz 動く・157波形中 真ん中あたり)
音の印象Deep(上位 8%)
付属音での使われ方ファクトリーでこの波形を使う 46 音には Riser(3.9倍・3/46 音)、Stabs & Hits(2.0倍・3/46 音) が多い(倍率は全体の出現率との比)。
読み方 Standard・位置 50% で単体で鳴らして比べた値
音量 8%
抜いてもあまり変わらない
Noise1White(Static) Static / Fix音量 0% (鳴っていません)
Noise2Pink(Static) Static / Fix音量 0% (鳴っていません)

レベル 0 のものも、何を積んだかの記録として残しています。
波形の性格は 157 個を同じ条件で比べた順位です(一覧を見る)。このプリセットでの読み方は上の表のとおりなので、実際の音はそこから変わります。「抜くと」は、その音源だけ止めて測った音色の変わり方です。

音を形づくっているもの
Anima

ディレイライン+オーディオレート変調+フィードバックで、元の音に無かった側帯波を足す。コムフィルタ/フランジャーの派生で、MIDI のピッチに追従する。

元の音に無かった側帯波を足す。コムフィルタ/フランジャーの派生
Anima 40%
DW 92%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
FB 100%出力を入力へ戻す量
LFOmode Slow
Rate 50%変調の速さ
Route Pos
Smear 50%
Tuning 1%
低い方を 3 dB足しています。

BitCrusher

ビット深度を落とし、量子化ノイズと歪みを足す。

縦(振幅)を粗い段に丸める。段が粗いほどノイズと歪みが増える
Mix 27%混ぜ具合。ただし0% にしても素の音には戻らない(実測 7,102 Hz → 6,795 Hz)。掛けるか外すかはスロットの ON/OFF で決まる
Norm 61%
Offset 70%波形を上下にずらす量。折り返しや量子化の掛かり方が変わる
Quantize 70%振幅を何段に丸めるか。粗くするほど明るさは下がる(実測 6,885 Hz → 6,640 Hz)
外して測りましたが、違いはばらつきの範囲でした(この音ではほぼ効いていません)。440 Hz のサイン波に挿すと、明るさが 442 Hz から 7,132 Hz まで上がります。20 機種中 2 番目に上を足します

BassEnhancer

クロスオーバーで低域だけを分け、そこに飽和と圧縮をかける。高域はそのまま。

Crossover 79%低域と高域を分ける境目の周波数
DW 100%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
Drive Off入力を持ち上げて飽和させる量
Input 66%
Output 50%
低い方を 3 dB足しています。

NonLinearLabUnit FX X

オーバードライブ/ディストーション各種と、キャビネットのシミュレーション。高い方を 2 dB削り、全体を 2 dB下げています。

Cabinet Off
Drive 22%入力を持ち上げて飽和させる量
DriveType Soft Clip
HPpost 39%
HPpre 2%
Inertia 85%
LevCO 5%
Mix 25%原音とエフェクト音の混ぜ具合
Submode Glue
TrueStereo Mono

StandardEQUnit FX Y

周波数バランスを整えるイコライザ。中域を 7 dB足しています。

BassLev 45%
HiF 33%
HiLev 37%
PeakF 48%
PeakLev 58%
PeakQ 23%

Eco ReverbUnit FX Z

部屋の種類を模した17のモードを持つ残響(マニュアル上の名前は Reverb)。中域を 6 dB足し、全体を 2 dB上げています。

Chorus 50%
Color 50%明るさの色づけ
DW 16%原音とエフェクト音の混ぜ具合(Dry/Wet)
Feed 34%残響のフィードバック量。長さに効く
Size 13%残響の空間の大きさ
preDel 13%残響が始まるまでの遅れ

動かしているもの

Mod2 Mod Env が時間や演奏に応じて音を動かします。

部品の性格
Comb フィルタごく短いディレイで櫛状の山と谷を作る。フィードバックを上げるほど強くなる。物理モデリングの共鳴体としても、フランジャー的な効果にも使える。この音では、高域は削っていません(全開にしても差が出ない位置)。403 Hz あたりに 4 dB の山を作っています。実際に測定してみると、入力を切ってレゾナンスを上げても自分では鳴り出しません(同じなのは Asimov、SV2。Blue Monark は鳴り出します)。操作
ローパス 80%コムフィルタの中で高域を落とす量。上げるほどこもる
ディケイ 3%コムフィルタのフィードバック量。上げるほど共鳴が長く強くなる
オールパス 0%位相だけをずらす量。金属的な色づけに効く
Mod Env 変調音量以外を動かすためのエンベロープ。好きな場所へ割り当てる。この音では フィルタのディケイを深さ 78% で動かしています。設定:立ち上がり 0%/減衰 49%/持続 0%/余韻 10%/モード Gate/きっかけ Note On
Standard 波形の読み方既定の読み方。Filter つまみで上の倍音を減らす(帯域制限した波形を走査するので、ローパスに似た効き方をするが仕組みは別)。

Massive X 公式マニュアルの記述にもとづきます。

この音の組み立て方
  1. 音源を選ぶ
    001. Banana(Standard)、006. Sin-Tri-SQ-Saw(Standard) を重ねます。
  2. 時間の形を決める
    立ち上がり 10 ms、減衰 445 ms、持続はピークの -8 dB、余韻 775 ms。
  3. 動きを足す
    Mod2 Mod Env → フィルタのディケイ(深さ 78%)。
  4. FX で仕上げる
    効いているのは Anima、BassEnhancer、NonLinearLab、StandardEQ、Eco Reverb。BitCrusher は外しても差が出ませんでした。
  5. 演奏できるようにする
    マクロ 8本 を配線します(WT Pos 1、Osc 1 Lvl、WT Pos 2、Osc 2 Lvl …)。
付属ライブラリの中での位置

リード か ベース がマッチしそうです。低音が薄くて立ち上がりが鋭いところが似ています。付属 625 音を同じ条件で測って比べています(同じ測り方で付属音を判定し直すと、上位2つまで見て 78%)

弾き方を変えると、こう変わります。

ハウス風
トラップ風
アンビエント風
ポップ風
選択したプリセットのみで演奏しています。使ってみて合いそうなジャンルがあれば感想を聞かせてください
BOOTH で入手するX で感想を送る

音の測定

同じ条件で録音した付属プリセット782音の中での順位(音と言葉の近さを測るモデル CLAP による)。言葉は、聴き分けられるかを先に確かめたものだけを使っています。

言葉付属プリセットと比べると
和音感 Chord上位 3.3%
クリーンさ Clean上位 18.4%

Massive X は Native Instruments 社の製品です。